2021年01月08日
寒いです…
「そうですねぇ…今回はトップそのままで、前髪は眉毛にかからないように、襟足とサイドを刈り上げて、耳を出すような感じでお願いします。」
アミーゴ号です。
※この後すぐに払いのけました。
冒頭はスタッフが床屋さんで注文した髪型です。
2ブロックをイメージしてましたが、坊ちゃん刈りになったでござる。
言葉だけで伝える事の難しさを改めて痛感した次第でございます。
次からは写真を持参しようと思います。
ついでに「前から思ってたけど、きみの後頭部ってなんか出っ張ってて切りづらいんだよね~」とも言われました。
10年以上通っているのに、何を今更・・・否、申し訳ないです。
首筋が寒いです。
寒波が押し寄せてきておりますので、くれぐれもご自愛ください。
それではまた。
※この後すぐに払いのけました。
冒頭はスタッフが床屋さんで注文した髪型です。
2ブロックをイメージしてましたが、坊ちゃん刈りになったでござる。
言葉だけで伝える事の難しさを改めて痛感した次第でございます。
次からは写真を持参しようと思います。
ついでに「前から思ってたけど、きみの後頭部ってなんか出っ張ってて切りづらいんだよね~」とも言われました。
10年以上通っているのに、何を今更・・・否、申し訳ないです。
首筋が寒いです。
寒波が押し寄せてきておりますので、くれぐれもご自愛ください。
それではまた。
2021年01月06日
すっかり・・・
皆さんこんにちは
まだまだお正月の余韻に浸っていたいところですが、初売りセールは本日までです
店内の装飾もガラッと変わって・・・
まだまだお正月の余韻に浸っていたいところですが、初売りセールは本日までです
店内の装飾もガラッと変わって・・・
Spring
春ですね
アミーゴは季節を先取りしております
春ですね
アミーゴは季節を先取りしております
スタッフ宅☆寝室にて
2020年12月21日
雪舞う朝の「チャメシ・インシデント」
これは中二病症候群を患った、ひとりのアミーゴ米沢店スタッフによる、うろ覚えな記憶を頼りに妄想及び脚色が入った真実の記録である。
※随時加筆・修正を行っております。
豪雪地帯・米沢の冬は寒い。
日中の最高気温が零下を下回る真冬日も珍しくは無い。
そこに暮らす人々の朝は早い。
私も当然、そのひとりだ。
目覚めて直ぐに、壁に掛けている時計に目をやる。
針は4時10分を指している。
カーテンに閉ざされてはいるが、恐らく夜の帳は下ろされたままであろう。
まだ身体を起こすには早いか。
いつもの日課(ルーティーン)に移るとしよう。
昨晩遅くまで考案していた使えもしない必殺技や特殊能力の設定の反芻である。
(・・・解号はやっぱり『頷(うなず)け』かな。攻撃した相手に自身の思考や痛覚等を共有させる能力で・・・)
(・・・にゃーん 意訳:・・・ください)
!?
(こいつ直接脳内に・・・!)
「にゃーん(意訳:まだー?)」
どうやら我がルーティーンを遮った主は、寝室の扉一枚向こうに居るようだ。
愛猫「にゃん子」(推定2歳)である。
彼女は毎朝、6時30分になると甘えた鳴き声で私に催促する。
求められているものは勿論、理解している。
「 ご は ん 」だ。
切なく、振り絞るように演技して声を上げる儚げな彼女を案じ、我が身を起こす。
再び掛け時計に目を向ける。
・・・4時10分のままだ。
眼鏡を装着し、三度凝視する。
ようやく現状を理解した。
秒針が止まっているのである。
所謂、「電池切れ」を起こしていたようだ。
この時計は昨年、母の職場の忘年会のビンゴ大会の景品として私の寝室に飾られる事になったものだ。
猫のイラストが散りばめられた、愛嬌のあるデザインをしている。
付属の電池は動作チェック用の、寿命が短いものである。
およそ一年、、、早いが仕方ない。
国外生産の安価な量産品は、こんなものだ。
文明の利器「スマートフォン」に頼るとしよう。
しかし、冷静に考えれば予め指定の時刻に発動するように設定をしていた、アラーム機能が鳴り響いた形跡は無い。
手に取り電源ボタンを押すも、液晶画面は漆黒のままである。
・・・バッテリーが切れている。
最後に確認したのは昨晩0時、この時点では50%以上の残量が確保されていた筈だ。
不可解な現象に戸惑いつつも、一番の信頼を寄せている腕時計(リサイクルショップにて8000円で購入。クオーツ式。付けられていたベルトは超音速洗浄器に投入すると、一瞬で水が黄濁した為、即交換した)を細い左手首に嵌め、真実(まこと)の時刻(とき)を知らされる。
・・・6時40分。
寝坊だ。
枕に散乱する抜け毛から目を逸らし近くの室温計を確認すると、今季最低を更新する『2℃』が示されている。
スマホのバッテリーも減る訳だ。
慌てて飛び起き、寝室のドアを蹴破る(※実際は向こう側に「にゃん子」が居るのでゆっくりと開けました☆てへぺろ)
「にゃーん(意訳:ごはーん!)」
寝室の扉の向こうは、温い。
熱帯魚の飼育水槽を複数稼働させている為、室内は10℃を優に超えている。
空っぽになっているごはん皿に「ピュリナワン・メタボリック エネルギーコントロール」を注ぐ。
貪るように喰らいつく「にゃん子」。
わがままボディが、揺れる。
その間にトイレの掃除、飲み水の交換をし、魚達にも朝食を与える。
小型魚には「GEX・ワイルドフレーク」、肉食魚には「ひかりクレスト・キャット」がこの頃の定番だ。
それらを終えた後に、仏壇に線香をあげる。
一息つこうと向かった居間のコタツには、既に食事を終え、寛ぐ「にゃん子」の姿が。
「にゃーん(意訳:遅かったじゃないか・・・)」
ぐぬぬ。
そして我が家の主、父もいた。
「雪かき?家の周りはもう終わったよ(意訳:フン、役立たずめ)」
何・・・だと・・・?
情け無い。
今月23日(水)に還暦を迎える父に重労働をさせてしまった。
その上、三十路を過ぎて尚、実家暮らしで親の脛を齧り続けている自分自身が。
ついでに(還暦を迎える父が)毎週欠かさず購読している「週刊少年○ャンプ」も、こっそり読ませてもらっている。
先週号は「定食」までしか読んでいない。※12/21現在
続きが気になるが、台所から母の声が響き渡る。
「ごはん出来たよ(いかん!そいつには手を出すな!)」
そうだ、私には時間が無い。
朝食を早々に平らげ、柔軟運動で身体を暖めた後に戦闘服に着替えた。
ヒート○ックの上に薄手のゴアテックスを纏う。
唯それだけだ。
薄着過ぎるのでは?と思われるかもしれないが、雪かき時に重要なのは保温性や断熱性では無く、透湿性と機動性である。(※個人の感想です)
雪が降っている中でも、走り回れば自然と汗ばむ。
フードがあれば、それで充分だ。
止めどなく降り積もる雪。
1時間以上充電していたスマホを起動させる。
林檎のシルエットが浮かぶ。
お決まりの「ストレージ容量が~」を無視し、バッテリー残量を確認する。
『13%や』
なん・・・だと・・・?
寒冷地では、バッテリーの消耗だけでは無く、充電の効率も格段に落ちる。
繰り返すが、私には時間が無い。
なんとかなるだろう。
こうして私は自宅を後にし、戦場(アミーゴ)へ向けて愛車を発進させた。
フルタイム4WDでは必要の無い、駆動輪の切り替えの確認も忘れてはいけない。
以前、夜間走行中に路面の積雪が無いと慢心していた為、2WDのままハンドルを切った際にスリップを起こしてからは、冬期間中は4WDに固定している。
燃費の悪化は避けられないが、安全第一である。
どのみち冬はどう足掻いても、燃費は悪くなる。
雪道走行の必需品・スタッドレスタイヤは、凍結した路面を捉える為に柔らかく、重い。
摩擦係数が高く、重量が増える為、動かす力がより多く必要となるのだ。
エアコンの暖房も一因だ。
車内外の温湿度差によりガラスが結露し、曇り易くなる。
特に青空駐車を長期間していると、フロントガラスの曇りが晴れるまでにかなりの時間を要する。
そして何より、速度を落とす事により発生する自然渋滞は、シビアコンディションの代表たる「ストップ&ゴー」を余儀無くされる。
しょうがない。
諦めよう。
悔しいが。
降雪時にはフォグランプが頼もしい。
近頃はグレードにもよるが、標準でLEDライトが搭載されている車も多い。
電力の消費が少ない上に明るく、長寿命なのが特長ではあるが、熱を発生させない為、着雪し易いのが難点だ。
点灯時に発熱するハロゲンやキセノンであれば、雪が付着しても直ぐに溶ける。
その為、フォグランプは補助としてそれらにする事をお勧めする。
色味も青白いLEDに対し、ハロゲン灯は黄色味がかっているため、雪の凹凸を確認し易いメリットもある。
因みに私の自動車運転免許証は、AT車限定だ。
そうこうして安全運転で走行(笑)、無事到着する。
スタッフ用の駐車場には既に、この店の長の車が停められていた。
全くの余談ではあるが、彼の車のボディは、水を弾かない。
洗車の際に撥水コーティングを施していないのだろう。
確かにルーフやボンネットはウォータースポットが出来易い為、避ける事は多い。
真偽の程は定かでは無いが、多忙につき手間をかける暇が無いというのが実態であろう。
最近はスプレータイプの簡易的なものがありますよと、いつの日か話そうと思う。
そして、アミーゴ号・・・?
昨夜からの降雪により、周辺の景色と同化しているが、立てられたワイパーによって辛うじてワゴン車であると判別する事が出来た。
アミーゴ号はスタッフのみならず、お客様への貸し出しも行う為、常に発車出来る状態にしなければならない。
10分程で全体に積もった雪を降ろし、足早に倉庫へ向かった。
得物(雪かき用具)を手にし、戦場(お客様用駐車場)に足を踏み入れる。
2時間程前に除雪車が入ったにも関わらず、降り積もった雪が一帯を覆い尽くしている。
今尚降り注がれる白い悪魔を相手に孤軍奮闘していると、・・・赤き衣を纏いし戦乙女が舞い降りた。
トリマー・I嬢である。
「ひゃあ~すごいですね~( ̄▽ ̄;)」(かわいい)
積雪とは無縁な地域で生まれ育った彼女は、初めの内こそ未知との遭遇に対し、
「こんなにいっぱい・・・はじめて(//∇//)」(かわいい)
と、無邪気に燥いでいたものの、流石にこれが毎日となると、
「・・・もう疲れました。早く消えて無くなって欲しいです(;ω;)」(かわいそう)
地獄を見れば心が渇く。(※平安時代の哲学剣士「ミヤモト・マサシ」の言葉である)
彼女は地獄の業火ならぬ、豪雪に灼かれたのだ。
ついでに、身に纏う赤い上着の袖には、地元で乗っていたバイクのマフラーによって灼かれて出来た「勲章」が残っている。
かっこいい。
黙々と、粛々と、淡々と。
一体そのか細い腕の何処に、そんな力が・・・?!
ただただ驚愕する私を尻目に、流れるような動きで作業をこなしている。
そして我々は気付いた。
「「・・・店長は?」」
この広大な白銀の雪原の何処かで、共に戦っているものだとばかり思っていた。
いつからだ?
一体いつから 彼がこの場に居ると錯覚していた?
兎に角、連絡を取らねば。
最悪のケースも頭の片隅に入れ、祈るような気持ちでL○NEへ、
『お疲れ様です。今現在どちらにいらっしゃるのでしょうか?』
と、送信するも、一向に既読が付かない。
最後の希望(のぞみ)、無料通話に全てを託す。
・・・繋がった!
「あ、今事務所で、今日からアルバイトで入る方に説明をしてます。終わったらそっちに行きますんで。(意訳:この程度の敵、余が自ら手を下すまでも無かろう?)」
希望が絶望へと変わっていった。
そんな我々を嘲笑うかのように、咲き乱れる六花。
そこへ、甲高い声が響き渡る。
「せっかくだから、俺はこの赤のスノーダンプを選ぶぜ!(意訳:僕も手伝います)」
コンバット小林が援軍に加わるも、形勢を逆転するには至らない。
今年の雪は、例年よりも重い。
ご存知かと思われるが、海水が蒸発した水蒸気が遥か上空に居座る寒気によって結晶化し、地上へ降り注がれるものが雪である。
寒気と地上の温度差が大きいと、雪に含有する水分量が多くなり、重くなる。(うろ覚え)
雪かきのような全身を使う運動に於いてそれは、負荷を否応なく増幅させる。
皆の疲労は限界を迎えようとしていた。
私の視界もいつしか、真っ白になっている事に気が付いた。
眼鏡だ。
出発前に塗りたくった曇り止めは、吹雪により洗い流されたようだ。
凍てつく銀世界の中、私は一つの決断をした。
眼鏡を外し、上着のポケットへしまったのである。
10月に行った健康診断によると、裸眼の視力は両眼共に0.15だ。
私事で恐縮だが、その検査結果で医師から、
「肝臓の機能が飲酒を習慣にしている人並みですねぇ。まあ、今すぐ治療が必要という程ではありませんが。」
と、告げられた。(下戸なのに)
どのみち一寸先には、白い闇が待ち受けている。
ただひたすら、行ける所まで突き進むだけだ。
劣勢に立たされた我々は、必死で足掻いていた。
業を煮やした小林は、封印されし秘めたる力を解放しようと叫んだ。
「軋れ !」
今まさに発狂しようとした刹那、一条の光明が辺りを照らした。
第二代アミーゴ米沢店・店長『東海林(とうかいりん)』が遂に、降臨したのである。
続く
※随時加筆・修正を行っております。
豪雪地帯・米沢の冬は寒い。
日中の最高気温が零下を下回る真冬日も珍しくは無い。
そこに暮らす人々の朝は早い。
私も当然、そのひとりだ。
目覚めて直ぐに、壁に掛けている時計に目をやる。
針は4時10分を指している。
カーテンに閉ざされてはいるが、恐らく夜の帳は下ろされたままであろう。
まだ身体を起こすには早いか。
いつもの日課(ルーティーン)に移るとしよう。
昨晩遅くまで考案していた
(・・・解号はやっぱり『頷(うなず)け』かな。攻撃した相手に自身の思考や痛覚等を共有させる能力で・・・)
(・・・にゃーん 意訳:・・・ください)
!?
(こいつ直接脳内に・・・!)
「にゃーん(意訳:まだー?)」
どうやら我がルーティーンを遮った主は、寝室の扉一枚向こうに居るようだ。
愛猫「にゃん子」(推定2歳)である。
彼女は毎朝、6時30分になると甘えた鳴き声で私に催促する。
求められているものは勿論、理解している。
「 ご は ん 」だ。
切なく、振り絞るように
再び掛け時計に目を向ける。
・・・4時10分のままだ。
眼鏡を装着し、三度凝視する。
ようやく現状を理解した。
秒針が止まっているのである。
所謂、「電池切れ」を起こしていたようだ。
この時計は昨年、母の職場の忘年会のビンゴ大会の景品として私の寝室に飾られる事になったものだ。
猫のイラストが散りばめられた、愛嬌のあるデザインをしている。
付属の電池は動作チェック用の、寿命が短いものである。
およそ一年、、、早いが仕方ない。
国外生産の安価な量産品は、こんなものだ。
文明の利器「スマートフォン」に頼るとしよう。
しかし、冷静に考えれば予め指定の時刻に発動するように設定をしていた、アラーム機能が鳴り響いた形跡は無い。
手に取り電源ボタンを押すも、液晶画面は漆黒のままである。
・・・バッテリーが切れている。
最後に確認したのは昨晩0時、この時点では50%以上の残量が確保されていた筈だ。
不可解な現象に戸惑いつつも、一番の信頼を寄せている腕時計(リサイクルショップにて8000円で購入。クオーツ式。付けられていたベルトは超音速洗浄器に投入すると、一瞬で水が黄濁した為、即交換した)を
・・・6時40分。
寝坊だ。
枕
スマホのバッテリーも減る訳だ。
慌てて飛び起き、寝室のドアを蹴破る(※実際は向こう側に「にゃん子」が居るのでゆっくりと開けました☆てへぺろ)
「にゃーん(意訳:ごはーん!)」
寝室の扉の向こうは、温い。
熱帯魚の飼育水槽を複数稼働させている為、室内は10℃を優に超えている。
空っぽになっているごはん皿に「ピュリナワン・メタボリック エネルギーコントロール」を注ぐ。
貪るように喰らいつく「にゃん子」。
わがままボディが、揺れる。
その間にトイレの掃除、飲み水の交換をし、魚達にも朝食を与える。
小型魚には「GEX・ワイルドフレーク」、肉食魚には「ひかりクレスト・キャット」がこの頃の定番だ。
それらを終えた後に、仏壇に線香をあげる。
一息つこうと向かった居間のコタツには、既に食事を終え、寛ぐ「にゃん子」の姿が。
「にゃーん(意訳:遅かったじゃないか・・・)」
ぐぬぬ。
そして我が家の主、父もいた。
「雪かき?家の周りはもう終わったよ(意訳:フン、役立たずめ)」
何・・・だと・・・?
情け無い。
今月23日(水)に還暦を迎える父に重労働をさせてしまった。
その上、三十路を過ぎて尚、実家暮らしで親の脛を齧り続けている自分自身が。
ついでに(還暦を迎える父が)毎週欠かさず購読している「週刊少年○ャンプ」も、こっそり読ませてもらっている。
先週号は「定食」までしか読んでいない。※12/21現在
続きが気になるが、台所から母の声が響き渡る。
「ごはん出来たよ(いかん!そいつには手を出すな!)」
そうだ、私には時間が無い。
朝食を早々に平らげ、柔軟運動で身体を暖めた後に戦闘服に着替えた。
ヒート○ックの上に薄手のゴアテックスを纏う。
唯それだけだ。
薄着過ぎるのでは?と思われるかもしれないが、雪かき時に重要なのは保温性や断熱性では無く、透湿性と機動性である。(※個人の感想です)
雪が降っている中でも、走り回れば自然と汗ばむ。
フードがあれば、それで充分だ。
止めどなく降り積もる雪。
1時間以上充電していたスマホを起動させる。
林檎のシルエットが浮かぶ。
お決まりの「ストレージ容量が~」を無視し、バッテリー残量を確認する。
『13%や』
なん・・・だと・・・?
寒冷地では、バッテリーの消耗だけでは無く、充電の効率も格段に落ちる。
繰り返すが、私には時間が無い。
なんとかなるだろう。
こうして私は自宅を後にし、戦場(アミーゴ)へ向けて愛車を発進させた。
フルタイム4WDでは必要の無い、駆動輪の切り替えの確認も忘れてはいけない。
以前、夜間走行中に路面の積雪が無いと慢心していた為、2WDのままハンドルを切った際にスリップを起こしてからは、冬期間中は4WDに固定している。
燃費の悪化は避けられないが、安全第一である。
どのみち冬はどう足掻いても、燃費は悪くなる。
雪道走行の必需品・スタッドレスタイヤは、凍結した路面を捉える為に柔らかく、重い。
摩擦係数が高く、重量が増える為、動かす力がより多く必要となるのだ。
エアコンの暖房も一因だ。
車内外の温湿度差によりガラスが結露し、曇り易くなる。
特に青空駐車を長期間していると、フロントガラスの曇りが晴れるまでにかなりの時間を要する。
そして何より、速度を落とす事により発生する自然渋滞は、シビアコンディションの代表たる「ストップ&ゴー」を余儀無くされる。
しょうがない。
諦めよう。
悔しいが。
降雪時にはフォグランプが頼もしい。
近頃はグレードにもよるが、標準でLEDライトが搭載されている車も多い。
電力の消費が少ない上に明るく、長寿命なのが特長ではあるが、熱を発生させない為、着雪し易いのが難点だ。
点灯時に発熱するハロゲンやキセノンであれば、雪が付着しても直ぐに溶ける。
その為、フォグランプは補助としてそれらにする事をお勧めする。
色味も青白いLEDに対し、ハロゲン灯は黄色味がかっているため、雪の凹凸を確認し易いメリットもある。
因みに私の自動車運転免許証は、AT車限定だ。
そうこうして安全運転で走行(笑)、無事到着する。
スタッフ用の駐車場には既に、この店の長の車が停められていた。
全くの余談ではあるが、彼の車のボディは、水を弾かない。
洗車の際に撥水コーティングを施していないのだろう。
確かにルーフやボンネットはウォータースポットが出来易い為、避ける事は多い。
真偽の程は定かでは無いが、多忙につき手間をかける暇が無いというのが実態であろう。
最近はスプレータイプの簡易的なものがありますよと、いつの日か話そうと思う。
そして、アミーゴ号・・・?
昨夜からの降雪により、周辺の景色と同化しているが、立てられたワイパーによって辛うじてワゴン車であると判別する事が出来た。
アミーゴ号はスタッフのみならず、お客様への貸し出しも行う為、常に発車出来る状態にしなければならない。
10分程で全体に積もった雪を降ろし、足早に倉庫へ向かった。
得物(雪かき用具)を手にし、戦場(お客様用駐車場)に足を踏み入れる。
2時間程前に除雪車が入ったにも関わらず、降り積もった雪が一帯を覆い尽くしている。
今尚降り注がれる白い悪魔を相手に孤軍奮闘していると、・・・赤き衣を纏いし戦乙女が舞い降りた。
トリマー・I嬢である。
「ひゃあ~すごいですね~( ̄▽ ̄;)」(かわいい)
積雪とは無縁な地域で生まれ育った彼女は、初めの内こそ未知との遭遇に対し、
「こんなにいっぱい・・・はじめて(//∇//)」(かわいい)
と、無邪気に燥いでいたものの、流石にこれが毎日となると、
「・・・もう疲れました。早く消えて無くなって欲しいです(;ω;)」(かわいそう)
地獄を見れば心が渇く。(※平安時代の哲学剣士「ミヤモト・マサシ」の言葉である)
彼女は地獄の業火ならぬ、豪雪に灼かれたのだ。
ついでに、身に纏う赤い上着の袖には、地元で乗っていたバイクのマフラーによって灼かれて出来た「勲章」が残っている。
かっこいい。
黙々と、粛々と、淡々と。
一体そのか細い腕の何処に、そんな力が・・・?!
ただただ驚愕する私を尻目に、流れるような動きで作業をこなしている。
そして我々は気付いた。
「「・・・店長は?」」
この広大な白銀の雪原の何処かで、共に戦っているものだとばかり思っていた。
いつからだ?
一体いつから
兎に角、連絡を取らねば。
最悪のケースも頭の片隅に入れ、祈るような気持ちでL○NEへ、
『お疲れ様です。今現在どちらにいらっしゃるのでしょうか?』
と、送信するも、一向に既読が付かない。
最後の希望(のぞみ)、
・・・繋がった!
「あ、今事務所で、今日からアルバイトで入る方に説明をしてます。終わったらそっちに行きますんで。(意訳:この程度の敵、余が自ら手を下すまでも無かろう?)」
希望が絶望へと変わっていった。
そんな我々を嘲笑うかのように、咲き乱れる六花。
そこへ、甲高い声が響き渡る。
「せっかくだから、俺はこの赤のスノーダンプを選ぶぜ!(意訳:僕も手伝います)」
今年の雪は、例年よりも重い。
ご存知かと思われるが、海水が蒸発した水蒸気が遥か上空に居座る寒気によって結晶化し、地上へ降り注がれるものが雪である。
寒気と地上の温度差が大きいと、雪に含有する水分量が多くなり、重くなる。(うろ覚え)
雪かきのような全身を使う運動に於いてそれは、負荷を否応なく増幅させる。
皆の疲労は限界を迎えようとしていた。
私の視界もいつしか、真っ白になっている事に気が付いた。
眼鏡だ。
出発前に塗りたくった曇り止めは、吹雪により洗い流されたようだ。
凍てつく銀世界の中、私は一つの決断をした。
眼鏡を外し、上着のポケットへしまったのである。
10月に行った健康診断によると、裸眼の視力は両眼共に0.15だ。
私事で恐縮だが、その検査結果で医師から、
「肝臓の機能が飲酒を習慣にしている人並みですねぇ。まあ、今すぐ治療が必要という程ではありませんが。」
と、告げられた。(下戸なのに)
どのみち一寸先には、白い闇が待ち受けている。
ただひたすら、行ける所まで突き進むだけだ。
劣勢に立たされた我々は、必死で足掻いていた。
業を煮やした小林は、封印されし秘めたる力を解放しようと叫んだ。
「軋れ
今まさに発狂しようとした刹那、一条の光明が辺りを照らした。
第二代アミーゴ米沢店・店長『東海林(とうかいりん)』が遂に、降臨したのである。
続く
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